2024年はいくつかのカード会社から、プライオリティ・パスの優待について、空港ラウンジ以外の飲食店やリフレッシュ施設等の利用を不可とする改定発表がありました。
この動きは他のカード会社にも波及しており、2024年の年末から2025年の年始にかけて、ダイナースと三井住友カードがプライオリティ・パスに関する改定発表を行いました。
三井住友カード プラチナは国内は空港ラウンジのみ利用可能
まず、三井住友カード プラチナについて。
2025年4月より、メンバーズセレクションでの選択にかかわらず、誰でもプライオリティ・パスに申込み可能となった三井住友カード プラチナ。
これはこれで「改善」された点でした。
しかし、2024年12月27日に追加での発表があり、国内におけるプライオリティ・パス対象のお食事、リフレッシュ施設は利用不可となりました。
改定時期は2025年4月1日からとなります。
JCBカード同様に、海外においてはプライオリティ・パス対象の空港ラウンジ、飲食店、リフレッシュ施設の利用は可能となります。
ダイナースはプレミアムも含めて国内ではラウンジのみ利用可能
続いてダイナースクラブカード。
ダイナースの一般カードだけじゃなく、提携カード、各種プレミアムカードも含めて、2025年4月1日午前2時以降、プライオリティ・パス対象施設のうち、国内の飲食店、リフレッシュ施設等は利用対象外となります。
JCBカードや三井住友カード同様に、海外ではプライオリティ・パス対象の全ての施設を利用可能です。
三菱UFJニコスのように、改定に至った経緯がダイナース公式サイトに記載されていたので、以下に抜粋します。
経緯
昨今、国内ラウンジにおける「お食事」「リフレッシュ」「休憩」施設のご利用、また一度に複数施設をご利用になるケース等が増加し、本来の「ラウンジ」サービスの運営にも支障をきたす状況となり、サービスの見直しを実施するに至りました。
今後、国内ラウンジにおける「お食事」「リフレッシュ」「休憩」等に該当する施設は、「ダイナースクラブカードの提示」および「プライオリティ・パス」での利用対象外となりますので、あらかじめご了承ください。
※ダイナースクラブカード公式サイトより
驚いたのは、ダイナースはプレミアムカードも改定の対象となること。
他社の動きも見ていくと、カード単位での利用制限は一切なく、カード会社が発行する全てのクレジットカードについてプライオリティ・パスの利用に制限をかけています。
古くは、2019年8月1日より国内、海外を問わず飲食店やリフレッシュ施設の利用を不可としたアメックスも、思い起こせばプラチナもゴールドも関係なくアメックスが発行する全てのカードに対して利用を制限しましたね。
こういった他社の動向を踏まえると必然なのかもしれませんが、個人的には、まさかダイナースクラブ プレミアムカードも改定の対象となるとは思ってもみませんでした。
それにしても、上記の「経緯」に記載されているように、ダイナースクラブカードにおいても、飲食店やリフレッシュ施設等を過度にされる方がいるのですね。
まぁ、付帯する優待ですので、利用するのは会員の権利でもありますが、そんなに利用しますかね?
たとえば、毎月、東京へ出張へ行ってもプライオリティ・パス優待を使って食事をしない方は結構います。
僕自身、昨年に初めて羽田のオールデイダイニングを利用しましたが、正直、そんな美味しいとは思えませんでしたし、今後は今まで通り都内へ移動して食事をするつもりです。
個人的に、プライオリティ・パスの国内対象施設で「これは嬉しい!」と感じたのは、中部国際空港のリラクゼーション施設「SOLA SPA 風の湯」と「お食事処 えびす」での食事がセットになったプライオリティ・パス会員専用プラン。
中部国際空港に着いた時に利用することは無いですが、夏の35度以上の気温で汗だくになった帰路。お風呂でさっぱりして札幌に戻ってこれる喜びは、僕にとって最高です。
しかも、お風呂の後のお食事では、生ビールも無料で付けられます。
なので、名古屋へ行った際は、今後も帰りにプライオリティ・パス優待を利用すると思います。
そのほかで、個人的に興味深い施設と言えば、鹿児島空港の「ボディケアLuck」くらいでしょうか。
行ったことが無いので、鹿児島空港を利用する機会があるなら、是非、寄ってみたいです。
あとは、ぼてぢゅうも含めて利用対象外となってもほぼダメージは感じません。
ラウンジ以外の施設も利用できるクレカ
2025年1月7日時点で、プライオリティ・パスの全ての対象施設を年間無制限で利用できるのは、以下のクレジットカードとなります。
〇セゾンプラチナ
〇ラグジュアリーカード
エポスとセゾンのプラチナについては、さすがに年会費が2万円くらいですので、改定が予想されますね。
セゾンは、ローズゴールドなど年1回以上の利用で次年度年会費が無料になるゴールドカードが存在し、プライオリティ・パスのプレステージ会員に優遇年会費11,000円で申し込みが可能。
となると、カード本体の年会費が実質無料なので、プライオリティ・パスの優遇年会費11,000円のみで、飲食店もリフレッシュ施設も利用できる現状なので、これはさすがに限界だと思います。
優遇年会費でプライオリティ・パスに登録できるサービスを終了させるか、プラチナを含めて全てのセゾンカードで、他社同様にプライオリティ・パスの利用可能施設に制限を設けるか、どちらかが実行されるでしょうね。
ラグジュアリーカードについては、どうなるのか全く分からないですね。
先行して2019年に改定を行ったアメックスに続いて、ダイナースも2025年4月から改定。
ただ、アメックスやダイナースは、年会費の安いカードも用意しているのに対して、ラグジュアリーカードは最低でも年会費が55,000円。
他社と比べて、「プライオリティ・パスの国内施設の利用」を大きな目的で入会するケースは、他社と比べても低いと思われますので、そう簡単には改定に踏み切らないようにも感じますが、どうなのでしょうね。
クレカはプライオリティ・パス以外のサービスで選ぶべき
まぁ、いずれにしても、今後、プラチナなどのプレミアムカードを持とうと考えている方は、「プライオリティ・パス以外の優待サービスが自分にとって魅力的なのかどうか?」をよく考えて選ぶべきでしょう。
プライオリティ・パスが改悪されても、他に魅力的な優待サービスを提供するカードはたくさんあります。
現に、いち早くプライオリティ・パスの改定に踏み切ったアメックスですが、今でも入会者数を増やしていますし、ダイナースもダイナースなりの魅力があります。
ぜひ、各カードにどんな優待サービスや補償が備わっているか、よく吟味してカード選びをしていただければと思います。